東シナ海に面する、鹿児島県薩摩半島のいちき串木野市。山間に広がる尾崎牧場は、夏は潮風が心地よく、冬は比較的温暖な気候に恵まれています。天井が高く、風通しのいい牛舎では、牛房に入る牛を一般的な頭数よりも抑え、のびのびと生活できる寝床を整備。ストレスの少ない環境があってこそ、上質な黒毛和牛が育つのです。
ミネラル、ビタミンをバランスよく含んだ尾崎牧場独自の配合飼料と、牧草や稲わらなどを、1日2回給餌。前期、中期、後期と月齢を3期に分け、発育状況を鑑みながら餌の内容を細かく変えています。「筋肉をつくる時期」「脂肪をのせる時期」など、餌の切り替えひとつで肉質は大きく変化します。
配合飼料と牧草を攪拌しながら給仕できる自動給餌器をはじめ、糞尿を堆肥化する撹拌機などを他の牧場に先駆けて導入。さらに機械化は進み、牛の蹄の形を整える削蹄器、そして、牛の活動量をリアルタイムに取得するモーションセンサーも導入しています。ヒトと機械が上手に役割分担することで、より安全でスムーズな牧場運営が実現できています。
牛舎の増設工事や修繕なども自社で行っています。牛の生態や発育状況に合わせ、牛を知り尽くした自社の工事専門のスタッフが担当。牛にとっての快適性を重視するほか、スタッフにとっても作業効率性の高い牛舎をつくることができます。